2023年12月14日に、NEWSの加藤シゲアキさんの作品「なれのはて」が第170回直木賞にノミネートされました。
アイドルが書いた本だから売れているという理由だけでは直木賞にノミネートはされません。加藤シゲアキさんの小説の評価はどうして高いのか気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、加藤シゲアキさんの作品が直木賞にノミネートされるほど高い評価を得ている理由と今までに受賞した賞についても調べました。
加藤シゲアキの小説の評価が高い理由3選!
オルタネートの時は爆笑問題の太田光さんが絶賛してくれて、
— acco (@acco50337353) December 13, 2023
『これ以外、受賞はない!』
と言ってくれた。
審査員の先生の3人が推してくれた。
芥川賞や直木賞は『該当者なし』の時もあるが、まずは沢山の人に作品を読んでもらえることがシゲは嬉しいと思う😊
#加藤シゲアキ
#なれのはて pic.twitter.com/jyzS3rrvBr
加藤シゲアキさんの小説はどうして評価が高いのでしょうか?
①意外性がつよい
- アイドルが書いたとは思えない文章力がある
- 作品は、高校生限定のSNS、青春など、若い世代に共感できる内容になっている
- とはいえ、「若者向け」の作品ではないため、読みごたえがある。
加藤シゲアキさんの作品は、第一に「NEWSの加藤シゲアキが書いている」というところで、若い世代の支持が多くなるのは否めないのではないでしょうか。
もうこれは、必然だと思います。
ところが、読んでみると、若い世代に支持されやすいものの、文章や展開がおもしろくて、「アイドルが書いたとは思えない」と意外性が評価を上げているようです。
2023年では、加藤さんも、執筆活動を始めて11年程たち、自分自身の年齢もあがってきています。
今の自分の年齢での自分が知りたいと思う内容を描いているため、幅広い層に支持されるようになっています。
②とにかく共感できる
#読了
— es.bookmark.april (@EsBookmark) December 10, 2023
『オルタネート』加藤シゲアキ
青春。3人の視点を章ごとに丁寧に区切った構成が、最後にリズムが変わり一気に切り替わるのに違和感なかった。音楽の転調とか料理の仕上げみたいな疾走感でした。
凄まじい伝播力をもつのはどの時代も学生。プライバシーの安全だけ確保しつつ楽しんで欲しい。 pic.twitter.com/m4ksnVRApi
- 設定は身近ではなくても、共感できる内容
- 高校生限定のオルタネートでは、現役高校生はもちろん、親世代も共感や理解できる部分がある
加藤シゲアキさんの作品は、舞台が芸能界やホストクラブ、生きづらい世の中という設定のものがります。
設定は身近ではない人も多いと思いますが、登場人物の行動や、やもやもやした言葉にできない感情には共感できる作品になっています。
さらに、高校生限定のSNSが舞台のオルタネートでは、高校生はもちろん、高校生の親世代も共感や理解できる部分があり、とにかく共感できるというのが、高い評価につながったのではないでしょうか。
加藤シゲアキさんは、連載している時も、作品を客観的に検証して、次の文章を書いているそうです。
芸能界で「観客の反応」を肌で感じているだけに、検証するときに感覚として活かされているのではないでしょうか。
③時代に合っている
文庫化で #チェベローズで待ってる 読んでみました。
— 遊良カフカ (@walker_taker) September 6, 2022
ピンクとグレー、閃光スクランブルは文学性がしんどかったですが、本作は裏社会エンタメサスペンスで、ありがちな後ろ暗さ&ヤンキー感がなく面白かった!
娯楽作品を知的に構成する現役アイドル作家#加藤シゲアキ スーパーレアなキャラクター pic.twitter.com/fa0PxXjCAY
- リーマンショック後の2010年~2013年の就職氷河期 ➡生きづらさを題材にした「傘を持たない蟻たち」。新卒でホストクラブに入店する「チェベローズで待ってる」
- 未成年のSNSを通じての犯罪が増えている ➡高校生限定のSNSの作品「オルタネート」
- 戦争を伝える世代が少ない。どうやって戦争を伝えるか➡戦争をテーマにした作品「なれのはて」
加藤シゲアキさんの作品は、その時の問題に合致した内容になっているのではないでしょうか。
2016年~2017年に発売された、「傘を持たない蟻たち」と「チェベローズで待ってる」は、新卒採用が劇的に減った就職氷河期の後の作品になっています。
就職がうまくいかないことからの生きずらさや、何とか仕事を見つけて生きて行く姿に、「今の時代」を別の角度から見ることができます。
2023年の直木賞にノミネートされた「なれのはて」は、戦争を題材にした作品です。
戦争を経験した世代が少なくなり、どうやって戦争を伝えて行くかが問題になっている最中でも「なれのはて」なので、伝えたいことを伝えてくれる作品として評価されているのではないでしょうか。
加藤シゲアキの小説が今までに受賞した賞についても!
加藤シゲアキさんの小説が今までに受賞した賞について見てみましょう!
チェベローズで待ってる:Twitter文学大賞受賞
オルタネート :第164回直木賞ノミネート 第42回吉川英治文学新人賞受賞 第8回高校生直木賞受賞 2021年本多大賞候補
なれのはて :第170回直木賞ノミネート
加藤シゲアキさんは、2012年の「ピンクとグレー」で小説家でデビューしてから7個の小説を出版しています。
そのうち、賞を獲ったのは2作品。
賞を受賞していない作品でも、連続ドラマ化したり、映画化したりと、話題の作品になっています。
まとめ
加藤シゲアキさんの小説の評価が高い理由は、
①若い世代の支持が厚い
②とにかく共感できる
③時代に合っている
という理由があります。
加藤シゲアキさんの小説の受賞歴については
・「チェベローズで待ってる」は、Twitter文学大賞。
・「オルタネート」は、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第8回高校生直木賞受賞、2021年本屋大賞候補、直木賞ノミネート。
・「なれのはて」は、直木賞にノミネート。
という事が分かりました。
加藤シゲアキさんのこれからの活躍と、2024年1月17日に開催される、直木賞の選考会での結果を楽しみにしています!
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